全日本武道具協同組合

剣道具のお手入れ方法

A1.下図にてご参照ください。(竹刀及び剣道具規格より:(財)全日本剣道連盟 公認名称)

A2.ご自分に合ったサイズ(顔・頭・体)選びについては、必ず専門店にてご相談下さい。
面布団(耳下から肩に当る部分)の長短は、肩幅に合わせ、特に後頭部が面布団からはみださない面を選んで下さい。また、面紐の取りつけ方によって紐の長さが違います。
面紐を結ぶ位置は、後頭突起部(目のうしろ側)のあたりで結びます。紐の長さは、面紐を結んだとき、結び目から40cm以内の長さになるように、調節して使用下さい。
1、余分な紐は、切り落とします。
2、切り落とした部分を3cm位ほぐします。
3、ほぐした中から3本位の糸を取り出し、ひとつの束とします。
4、同様に、もうひとつの束を作ります。
5、ふたつの束を一周させて、固結びにてとじ終え、調整します。
【チェック事項その1】
◆「物見」(上から6本目と7本目の間が少し広くなっている)から見えるようにかぶります。
「物見」から見るようにすると姿勢が正しくなります。

A3.下記が生じた時には、専門店にて点検修理・交換が必要ですのでご使用はおやめ下さい。 1、面金のカシメがゆるんでいないかどうか確認しましょう。 2、物見(広くなっている部分)がゆるんでいないかどうか確認しましょう。 3、面ぶち革が傷んでいないか、確認しましょう。 4、止め革が切れていないか、確認しましょう。 5、内輪・天地(顔に当たる布団部分)がずれたり、傷んでいないか確認しましょう。

A4.面の使用直後には、手ぬぐい等にて内輪の汗を十分に拭き取り、必ず日陰干しにて良く乾燥させるように心掛けて下さい。乾燥室がある方は、ご利用下さい。
また、 汚れのひどい場合には、まず掃除機にて埃を取り除き、その後に堅くしぼった手ぬぐい等にて、汚れている部分を丁寧に拭き取り、再度日陰等に干して乾燥させて下さい。清潔に心掛け、通気性の良い場所にて保管して下さい。
尚、一年に一回、あるいは使用頻度が多い人は半年に一回心ず専門店にて点検を受け、また永年使用されなかった面を再び使用する場合、同様に専門店で点検を受けましょう。 また、剣道具クリーニングや消臭スプレー等も開発されておりますので、専門店へご相談下さい。


A1.下図にてご参照ください。(竹刀及び剣道具規格より:(財)全日本剣道連盟 公認名称)

A2.上記の問題が生じた時には、交換が必要ですのでご使用はおやめ下さい。

A3.胴胸と胴台をとじているとじ革やヘり革が切れた時や、胴胸と胴台の付根より折り曲ってしまった場合には、専門店へご相談下さい。
また安全性に配慮し、竹刀の打 突に対しては十分に耐えられるように作られておりますが、胴を付けたまま倒れたり、伏せて置いた状態で何かのはずみで乗っかったりした場合には、胴台そのものが壊れることもありますので、取扱いに注意をして下さい。
そして塗り胴の表面に竹刀等により生じた傷を目立たなくする為に、ご自分でワックス等を使用するとかえって白くくもりが生じることがあり、また修理しにくくもなりますのでご注意ください。
また、裏竹に割れやささくれ等が生じた時も、そのままで使用されますと危険ですので専門店にご相談下さい。

A4.ご使用後は、汗等の水分を十分に拭き取り、風通しの良い場所で、必ず日陰干しにて、良く乾燥させるように心掛けて下さい。
また、汚れのひどい場合には、胴胸は ブラシ等で軽くブラッシングし、胴台は手ぬぐい等をぬるま湯で濡らし良くしぼって から汚れを丁寧に拭き取り、竹刀等の油を落とした後、乾いた柔らかい布でから拭 きし、再度風通しの良い日陰等に干して乾燥させて下さい。
尚、革胴の場合には天然生皮を使用している為、湿度・乾燥等により、胴台の幅が 広くなったり、狭くなったりする性質がありますので十分注意の上、特に風通しの良 い場所で保管するよう心掛けて下さい。
また、竹などの突っ返え棒を用いて、胴の裏 側部分に挟み込んで置くと変形等の防止に役立つようです。


小手

A1.下図にてご参照ください。(竹刀及び剣道具規格より:(財)全日本剣道連盟 公認名称)

【チェック事項】
1、小手は、小さくても大きすぎても使いにくいものです。自分の手に合ったものをお使い下さい。
2、極端に小手頭の薄いもの、あるいは、小手布団が短いものを使用するのは危険性があります。
3、小手をつける時は、小手頭を持って手に押し込むようにし、はずす時には、小手布団を持って手を抜くようにします。

A2.新しい小手紐と交換して下さい。また、小手紐は、適度に締めてあまり強く締めすぎないようにし、小手紐があまった時は、下図の様に残り紐を結び、結び目より2~3cm残して、切って処理しておきます。

A3.小手は、剣道具の中で一番痛みやすいものなので普段のお手入れが肝心です。
ご使用後には、手の内の革をよく引き伸ばして、風通しの良い場所で、必ず日陰干しにて、良く乾燥させるように心掛けて下さい。乾燥室がある方は、ご利用下さい。 特に汗を多くかく夏や湿気の多い梅雨どきには、道具袋の中に入れたままにせず 風通しの良い日陰等に干して乾燥させて下さい。
直射日光に当てると革の部分が、 硬くなりやぶれやすくなりますので充分注意して下さい。
小手の修理は、早目に専門店にお持ち下さい。また汗が残っている状態で連続 使用されますと、小手の寿命を縮める結果となります。出来ればもう1組の小手を用意して、交互に使用することをおすすめします。
尚、一年に一回、あるいは使用頻度が多い人は半年に一回必ず専門店にて、点検を受け、また永年使用されなかった甲手を再び使用する場合、同様に専門店で点検 を受けましょう。
また剣道具クリーニングや消臭スプレー等も開発されておりますので、専門店へご相談下さい。

A1.下図にてご参照ください。(竹刀及び剣道具規格より:(財)全日本剣道連盟 公認名称)

【チェック事項】
◆腰や下腹部を保護するために、垂紐を中央の大垂の下で花結びにして、十分に力を入れて強く結んで下さい。

A2.上記の問題が生じた時には、専門店にて修理が必要ですのでご使用はおやめ下さい。

A3.垂ひもがシワになった時は、アイロンをかけて下さい。
また、前帯・大垂・小垂を 時々軽くブラッシングして、風通しの良い場所で、必ず日陰干しにて、良く乾燥させるように心掛けて下さい。乾燥室がある方は、ご利用下さい。

A4.下図をご参照下さい。


竹刀

A1.下図にてご参照ください。(竹刀及び剣道具規格より:(財)全日本剣道連盟 公認名称)

A2.点検処理を行って下さい。(相手に危険が及びますので、必ず修理してご使用下さい。)
【チェック事項その1】
竹刀は使用前に必ず点検しましょう。ささくれがある場合には、使用者の責任において手入れ具等にて 入念に削ってください。

  1. まず、竹だけに分解します。
  2. 小刀、カッター又はガラスや瀬戸物のカケラ、出来れば専用の工具(竹刀削り)などを使い、竹に 直角に当てて竹の柄側から切っ先へ動かし、ささくれを削り取ります。逆向きにすると刃物が竹に食い込むので気をつけて下さい。ケガをしないように十分に注意して行って下さい。
  3. 布やすりで表面をきれいにして、油等を塗っておくと、竹どうしがスムーズに擦れ合って竹刀が折れにくくなります。
  4. 竹にワレ・ヒビがある場合は、大変危険ですので必ず他の竹と交換して下さい。また、破損箇所にテープを巻いたり、接着剤を使用するのは絶対におやめ下さい。

尚、軽く打ってみて異音のする竹刀、または古くなった竹刀(古くなると自然竹のためもろくなる)は 思わぬ破損事故につながりますのでご使用はお避け下さい。
使用後は竹刀に油等を塗布し、日頃からのお手入れに心掛けましょう。カーボンシナイについては、必ず専用先ゴムを使用し、黒いカーボンが露出したらただちに使用をやめ、新しいピースと交換してください。
尚、他の目的には危険がともないますのでご使用しないでください。

竹刀の断面図

  1. 外側表面のエナメル質の皮
  2. 繊維質(皮の部分、維管束が緻密である) 竹の特性であるバネ状の反発力がありますが、縦割れの特性もあります。
  3. 海綿質(肉の部分、維管束が荒く中空洞が確認出来る) 竹の比重を軽くし、衝撃を緩和して割れを防ぐ、竹刀では一番肝心な部分です。
  4. 漆質の内側の皮

竹刀でB.Cこの部分を丸く削り、45度の角度を残す事が一番大切です。打突時自分の手元と相手に与える衝撃を緩衝する部分です。 凸凹の出来た傷は少し削り取る程度が最適です。
削り過ぎると竹が細くなりますから注意して下さい。 又、Aの皮を削り過ぎるとササラ状傷と角の縦割れが発生し、早く竹刀が傷みます。


【チェック事項その2】 ①竹刀(ご購入時の注意点)
(1)規格に合った竹刀を選びましょう。
  (2)矯め割れ(竹刀の竹を熱して、矯正する時に出来た、ひび割れ)がないものを選びましょう。
  (3)虫食いがないものを選びましょう。
     
②柄革(吟・床)
  ●竹刀の柄に合った物をお選びください。革紐が傷んでいたら、必ず取り替えて下さい。

※吟付革とは、表皮が付いているもので、床革とは、皮をスライスして表皮が付いてないものを指します。

③先革(吟)
  ●太い先革は抜けやすいので、竹刀の先に合った物を心ずお選び下さい。
  先革は修理出来ないので、先が開く、穴があく、古くなるなどしたらすぐに取り替えます。

④中結い(吟)
  ●ゆるんでいたり正しい位置にないと危険なので、締め直して下さい。(竹刀全長の先端より約1/4)

⑤ 弦のゆるみ
  ●新しい竹刀は一度使うと弦がゆるみます。この状態は非常に危険なので、必ず弦を締め直して下さい。
【チェック事項その3】


剣士の豆知識   



参考文献「剣道用具マニュアル(著作・イラスト:石渡康二)」